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『月夜にひろった氷』 [気になる]

こないだ本屋で懐かしい本を発見しました。

月夜にひろった氷 (新潮文庫 き 19-5)

月夜にひろった氷 (新潮文庫 き 19-5)

  • 作者: 銀色 夏生
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2007/06
  • メディア: 文庫

高校時代の友人がその昔プレゼントしてくれた本が文庫化されていたのです。

もちろん当時は文庫ではなく、普通の単行本でしたが。

月夜にひろった氷

月夜にひろった氷

  • 作者: 銀色 夏生
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 1987/12
  • メディア: 単行本

もう20年も前の本なんですね・・・銀色さんの詩集は何冊も文庫化されてるのに、なぜかコレだけはずーっと見かけなくて。もう二度と出会えないと思っていたけれど・・・

 

その本に載った『あこがれ』という詩・・・当時片想いしていた彼女の「今の私の気持ち」というメッセージと共に手渡された、たった四行の詩。今読み返しても、同じように片想いしていた当時の自分を思い出して切なくなるというか・・・ちょっと甘酸っぱい気分にさせられます。

 

その本をくれた彼女には、高校卒業以来一度も会っていません。

二十歳くらいの頃、東京の大学に進んだ彼女から突然電話がかかってきて・・・懐かしい思いでいっぱいだった電話を切る直前、突然こう言われたのです。

「・・・出来ればもう直接会いたくないんだ。連絡先は○○ちゃんが知ってるから・・・」

 

青天の霹靂とはまさにこのこと。「なかなか会えなくても友達」・・・そう信じて疑っていなかったから、本当にショックでした。

 

彼女の実家もいろいろあって大変だったようですが・・・それが原因とは思いにくい。別に嫌いになったとかそういう事ではないとはっきり言っていたし、じゃあ何で???

 

その後別の友人から聞いたのですが・・・彼女、東京で整形手術を受けたらしいのです。

「個性的になりたい」とずーっと言っていた彼女。自分の持っているものを生かすのが個性だと私は思うので、丸顔で美人系じゃないけれど笑顔が可愛くてオシャレでチャーミングな彼女は十分に個性的だと思っていたのですが・・・

 

彼女の進学した学校は美術系の大学だったので、同級生もいろんな意味で枠にはまらない華やかな人が多かったようで・・・根本的には真面目な子だったから、きっとそんな周囲にあわせるために必死だったんだろうなあ・・・今考えるとそう思います。だから整形したこと自体は別に否定はしません。

 

でもキレイになったはずなのに、楽しい人生を送るためにした手術のはずなのに。新しい私になったから、昔を知ってる人には会いたくない・・・っていうのだけは私にはよくわからなかった。それは私たちと過ごした高校時代はきれいさっぱり忘れるってこと?

 

そのいきさつを教えてくれた、当時はまだ彼女と交流のあった友人がこう言ってました・・・「何ていうか・・・派手になった!って感じで。正直前の方がよかったな~って思うんだよね」

・・・もしかしたら彼女の中にも同じような思いがあったのかな?

 

テレビで『ビューティーコロシアム』とか美容整形できれいになった人たちを見るたびに、彼女のことを思い出します。見た目がキレイになると同時に気持ちも前向きになって輝くテレビの中の女性たちと同じように、彼女もその後の人生を前向きに笑顔で過ごしていることを願います。

 

そしてまたいつか、彼女にもう一度会えるといいな・・・彼女のくれた詩集にもう一度出会えたように。

 


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